No.51: 議事録をその場で書いているか?|プロジェクトの進め方

プロジェクトを進めていると、様々な会議、ミーティングが行われることになります。公式な工程会議やレビュー、サブリーダを中心としたチーム内ミーティング等々。さて、これらの会議やミーティングのクロージングを適切に行っているでしょうか?
経験から言えることは、会議では結論を出したつもりになって終わらせたが、実は出席者によって結論の受け取り方が異なっていたことがあるということです。人は、会議の場では自分の利益を求めて発言し誘導しようとするので、その結果得たと思われる結論も自分に都合の良い様に解釈してしまうものです。しかし、後から人によって部分的に違う解釈をしていることがわかり、あらためて議論する羽目になってしまいます。総論が一致していても、各論に微妙な差異が生まれてしまっているのです。
この様な事態は、会議で出した結論を最後にその場でおさらいしていないことによって生まれます。簡単に言えば、文章化していない、議事録を残していないということです。空中戦で議論を尽くして結論に至ったと思ったことであっても、文章の形にするとニュアンスの違いが浮き彫りになるものです。
その場で議事録を作成するなんて時間がかかって仕方がない、会議の出席者の時間を拘束することになるので、会議が終わった後で主催者が議事録を作成し関係者に配布すれば良い、と考えておられる方もいるでしょう。
確かに会議の最後に議事録の内容を確認するのは出席者を拘束する時間を長引かせることになりますが、後で結論に至ったはずのことに出席者から異議が発生しその調整に消費する時間を考えれば、トータルでは効率的に時間を使うことになるはずです。議論している最中に、主催者側がPC上で議論の過程で得られる議事録をリアルタイムで文章に起こしていき、常時または随時それをプロジェクタ上に表示して衆目に晒せば、それほど時間もかかりません。初めから会議のアジェンダの最後に議事録確認といった様な項目を入れておけば、出席者にも覚悟が生まれます。アジェンダで明確にしておくことによって、会議を早く終わらせたくて、人によって結論の確認をおざなりにしてしまうことを防ぐこともできるでしょう。
もちろん、主催者側の担当者に、議論を理解しながら結論を速やかに文章化しそれを必要な速度でキーインできるスキルが必要です。ブラインドタッチぐらいはできないと難しいでしょう。そういったスキルに乏しいなら、そのスキルを獲得する、またはさせる努力をしなければなりません。すぐにはできなくとも、場数を踏めば徐々に当たり前にできる様になります。
別に、会議における個々の発言を記録しなくても良いのです。最低限合意を得なければならない結論だけにフォーカスすれば良いのです。特に、担当者と期限を決めて実行しなければならないアクションについては、その場で明確に決めるべきです。
議論の結果得られた結論に対し出席者全員がいる前で文章の形にし、その場で合意を得ておけば、会議室から退出した瞬間から結論に基づいたアクションを実行できることになります。
プロジェクトの成功率が高い組織では、一つ一つの細かい活動の中に効率的や効果的なものが埋め込まれています。振り返って、皆さんの組織では如何でしょうか。本日の会議の議事録は。。。