No.45: プロセスは成長しているか

請負開発を生業とする一定以上の規模を有する企業であれば、開発プロジェクトを円滑に進めるための開発プロセスが確立されていることでしょう。そしてその標準的なプロセスに従って、プロジェクトを成功させている”はず”と思っているのではないでしょうか。
どのプロジェクトも利益を出して、一見問題はなさそうです。確かに混乱しているプロジェクトがなく、赤字に陥ったプロジェクトも発生していないかも知れません。しかし、開発プロセスに忠実に従うあまり、無駄な作業または非効率な作業が発生していないでしょうか。それは、プロジェクトを担当している現場のメンバに聞いてみれば分かりません。メンバの多くが開発プロセス上の無駄な部分または非効率な部分を認識しながら、それに従っているというのが実態だったりします。
それは普通に起こりうることです。そもそも最初に作った段階で、最適化されたプロセスではなかったかも知れません。また、技術の進化により、開発プロセスの一部が時代遅れになってきているかも知れません。何年も前に作った開発プロセスが未来永劫有効なもの、効率的なものであるはずがないのです。
問題はそのプロセスを随時または定期的に見直しているかどうかです。プロジェクトの経験を積み上げながら、それらのプロジェクトで得られた教訓を反映するということを繰り返して、開発プロセスを成熟させていくのです。これが効果的にできている組織はそんなにありません。大きな企業は立派な開発プロセスの存在を誇りますが、時代遅れや効果の薄れたプロセスであってもなかなか見直しできていないのが実態です。組織が重厚な故に一度確立された開発プロセスを簡単には変えられず、変えようと思っても関係部署が多く調整に非常に長い時間を要するのです。
その様な背景から、私は、これから開発プロセスを整備しようという組織や企業であっても、先行している大手企業に追いつき、それ以上に効果的な開発プロセスを実現するのは可能であると思っています。むしろ、その様な企業の方が大手企業以上に効果的、効率的な開発プロセスを確立させ、より大きな利益を生み出せるとさえ思います。
皆さんの組織や企業では効果的、効率的な開発プロセスを確立できていますか?そしてより大事なことに、それを継続的に”成長”させていますか?
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