No.85: 問題を早く顕在化できているか

プロジェクト内で問題が発生した時に、担当者がそれを報告せずに自分でなんとかしようとしながら対策できず、結果的にどうしようもなくなって発覚し、プロジェクトの全体工程に影響を及ぼすほどの事態になってしまう。この様な経験はないでしょうか。
問題が発生したが、怒られるので報告したくない、自分一人で解決できるかも知れない、自分だけで解決しなければならない、その様に考える人がいるのもしかたありません。だからと言って問題の報告を後回しにすればするほど問題は大きくなります。もし結果的に自分一人で解決できたとしても、それはたまたまで、一つ間違えばプロジェクトに大きな影響を及ぼす状況だったのかも知れません。
問題を自分一人で抱えたまま時間を過ごすのは、精神衛生上も好ましくありません。本来自分の業務に集中すべきところ、自分のエネルギーの一部が問題に悩むことに割かれ、分散してしまい、パフォーマンスが低下します。プロジェクト全体のことを考えた場合、メンバの一人一人に問題は最短で解決する、または最小の労力で解決する、という姿勢が必要です。
ただし、これは現場の担当者だけの問題ではありません。報告を受けた上司が、その程度の問題はいちいち報告せず自分で解決しろ、という様な態度を見せては、次回からより大きな問題も報告されなくなるでしょう。プロジェクトは斯様に人の意識や行動に左右されるものであり、日々現場で起きていることは人間臭いものです。
よく経営者や管理者から、「悪い情報は真っ先に報告しろ」「部下が悪い情報をあげてきたら、まず感謝を示せ」という様なメッセージが発信されることがあります。それはその通りで素晴らしい姿勢なのですが、大事なのはそれが組織の”末端”まで浸透しているかということです。
組織には階層があり、例えば上位の第一階層、第二階層までその様な姿勢を持っていても、下位層例えば課長、係長または主任クラスに部下からの悪い報告は聞きたくない、聞こうとしない人がいると、そこで問題は隠れてしまいます。
これは組織の風土、文化に根ざすものなので、「問題は早く顕在化するべき」の一言で解決できるものではありません。経営者が望んでも、掛け声だけではなかなか組織の風土、文化は変わっていかないことは、経験を積んできた方ならよくご存知のことでしょう。
コミュニケーションの問題として片付けることもできません。やはり、メンバの一人一人が、何事も安心して報告し相談できる環境を実感していなければならないのです。
あなたの組織は如何ですか。組織の末端の担当者は、問題をタイムリーに顕在化できているでしょうか。

