No.87: ジャンクフードを食べさせていないか

 ビジネスに限らず、世の中は生成AIの活用がブームになっています。活用とまでは行かなくとも、私なりに生成AIの使い方で学んだのは、AIにジャンクフードを食べさせるとそれなりに質の低いものしか出てこない、期待したものが返ってこないのだということです。

 それで、生成AIにどの様に指示を与えるかのプロンプトエンジニアリングが脚光を浴びることになっているのでしょうが、この食べさせるフードはかなり気をつけなければいけないものだという印象です。

 ここでは例として取り上げただけで、生成AIがテーマではないのでこれ以上深入りはしませんが、考えてみればAIに限らず私たち自身についても同じことが言えます。

 「人間は食べたものでできている」とよく聞きます。この日本語からは、私たちの身体は日々食事から摂取する栄養素等によって細胞が生まれ変わる新陳代謝を繰り返し、結果活動できていることをイメージできます。

 これは英語で表現されると”You are what you eat.”となります。より直接的で、インパクトがある表現ではないでしょうか。あなたは、まさしくあなた自身が食べたものなのです。人によって受け取り方は異なるかもしれませんが、私にとっては「人間は食べたものでできている」と聞くと結果的にその通りと思うだけなのですが、”You are what you eat.”と聞くと、自分が摂取するものによって自分が変容してしまう、自分自身に対する責任を感じてしまうのです。

 何を摂取したかによって肉体的に限らず精神的な活動エネルギーは変わってきます。当然活動の結果として生まれるものも違ってきます。そして、食べるものは必ずしも栄養になるものだけとは限りません。毒素を取り入れればそれがあなた自身の身体に影響を与え、パフォーマンスに跳ね返ります。

 つまり、ここで改めて認識しなければならないのは、OUTPUTの質はINPUTに依存するという当たり前のことです。

 プロジェクトに置き換えてみると、何が該当するでしょうか。開発プロジェクトであればその成果物は当然しっかりと定義された要件に依存します。そしてプロジェクトを通してその成果物を作り出すそれぞれのメンバに対するINPUTにも依存することになります。

 要件定義を正確に漏れなく実施することはプロジェクトの成功に不可欠なのですが、それを実現するために個々のメンバに対するINPUT、個々のタスクに対するINPUTを軽視してしまっていないでしょうか。

 プロジェクト管理において、メンバのOUTPUT品質に問題を見つけたとき、INPUTに問題はなかったのかという視点でのチェックも必要です。

 あなたの組織では、メンバに対するINPUTの質に気を使っていますか。ジャンクフードを食べさせて最高のパフォーマンスを要求してしまってはいないでしょうか。管理栄養士の助言が必要かも知れませんよ。

関連提言:No.79: プロジェクトを見通しているか