No.104: パートナーから事前に見積りをもらっているか

 プロジェクトの規模によっては、組織や企業の外部から人材を補強することがあると思います。自分たちの組織を補ってくれるパートナーです。個人事業主であるにせよ、企業であるにせよ、この様なパートナーの存在は欠かせないものです。

 初めてお付き合いさせていただくことになったパートナーであれば、要求や条件を提示したうえで、見積り金額を出してもらうことになります。同時に、相手の能力、スキルを含めプロジェクトで期待する成果を上げられそうかを確認し、見積りの裏付けを取ることになるでしょう。

 一方、むかしからお付き合いのあるところであったら、どうでしょうか。相手の能力、スキルも把握しているし、過去に仕事を頼んだときの単価もわかっているので、あらためて相手に見積り依頼をすることなく、勝手に見積もってしまうことがないでしょうか。

 パートナーとの間で協定単価が定められていて、派遣もしくは時間精算の準委任契約で仕事を頼むのなら問題ありませんが、成果物を約束してもらう請負契約で、過去の経験からこれくらいでやってもらえるだろう、という予測で見積もってしまうことがあるとすれば危険です。

 顧客からできるだけ早く見積りが欲しいと急かされ、一部をパートナーに作業してもらう必要がある案件のため先方に連絡しようとするが、窓口の責任者がつかまらない。仕方がないのでプロジェクトマネージャ(PM)が自分の予測で見積もって後で追認してもらおうとしたところ、実はその作業をするにはこういった準備が必要で、他にこれこれの影響ポイントがあって、とてもその金額ではできないということになってしまう可能性もあります。

 私自身は見積りのフライングをしてしまったことはありませんが、継続して仕事をしてもらっているパートナー企業において人事異動が発生し、責任者が変わったところそれまでより高い見積りが出てきたという経験があります。理由を聞くと、より成果物に組織として責任を持ちたいとのことでした。

 この様に、企業内の都合により見積りが変わることはありえます。事前にパートナー企業の社員から聞いていた見積りに対し、会社を通して出てきた見積りはバッファが上乗せされているということもありえます。

 

見積りは、原則的にその都度パートナーの公式なルートから入手する必要があるということです。パートナーとの関係が良好で、安定しているときほど落ち入り易いミスなので、気をつけたいところです。

 その見積りの内訳は、しっかりした根拠のあるものでしょうか。外部から入手したものが含まれているなら、それは公式に入手したものでしょうか。PMに任せるだけでなく、組織としてチェックしたいポイントです。

関連提言:No.82: 作業時間の適切な見積り