No.106: 三現主義を率先しているか

あなたの組織では、配下のプロジェクトに問題が生じている可能性が高い時、どの様に対処しているでしょうか。口頭で状況報告だけを受け、「良きに計らえ」という様な対応をしているだけでは、数日後、数週間後にはプロジェクトの炎上を目の当たりにすることになってしまうかも知れません。
まず、日常的にプロジェクトの状況をどの様に把握しているか、という問題があります。組織や企業内にPMOの組織があり、そこがプロジェクトの状況を監視し、定期的に管理者に報告しているのであれば、少なくとも客観的な報告がなされていることでしょう。
一方、プロジェクトマネージャ(PM)から直接報告を受けている場合、どうしても状況は客観的に分析されたものとなりにくいものです。それは、PMは上位者や外部からの過度な干渉を避けたい、叱責を免れたいため、多少の問題は隠そうとするからです。問題の大きさが、PM自身で解決できる許容範囲内にあり、PMが収束に自信を持っているならまだしも、自信なくその場凌ぎの対応と報告を行なっているとしたら、看過できることではありません。
いずれの場合にしても、管理者または経営者としては、少しでもプロジェクトの進捗に疑問を持ったなら、できるだけ自らの目で実態を把握するべきです。
そのために、まずはプロジェクトの現場に入ることです。ここで気をつけなければいけないのは、できるだけ現場に負担を掛けないことです。そうするには、現場の空気感を感じ取る必要があります。何らかのミーティングが行われている場に、オブザーバーとして参加し、どの様な議論が行われているか見てみるのも良いでしょう。問題の解決に向かって前進できているか、メンバのベクトルが合っているか、そういった成り行きを観察すると、プロジェクトを覆っている雰囲気が感じ取れます。プロジェクトのメンバに熱気があれば、多少問題があったとしても改善できる期待が持てます。しかし、澱んだ空気に支配されてしまっているとすると、その原因の追求と対策から始めなければなりません。
次に、現場で現物を確認することです。それは、成果物や工程表です。ここでも現場に負担をかけず、今あるものを確認する必要があります。
そういった情報収集を行なったうえで、PMに状況のヒアリングを行います。これは、決してPMを質問攻めにすることではありません。PMに挫折感を味わせてしまうことなく、PMの支援を行うというスタンスで臨まなければなりません。なぜなら、そのPMはあなた方が信頼を持って指名した人物であり、今後も活躍してもらわなければならない人物であるからです。
もし、あなた自身が客観的に見てプロジェクトに対する知見を有していないと考えているなら、是非プロジェクトを指導できる参謀を身近に置いておくことをお勧めします。知見を有していない管理者や経営者が現場に介入することは、本人にそのつもりがなくとも炎上しつつあるプロジェクトに油を注いでしまうことにもなりかねません。
その様にして、何はともあれ現実を正確に把握することが最優先です。現実を把握できないと、その後に行う支援が的外れになる可能性が高くなるためです。
さて、あなた若しくはあなたの信頼する有識者は、プロジェクトの現場に足を運び、現物を見て、現実を客観的に正確に把握することを率先して実行しているでしょうか。その仕組みは出来上がっていますか。

