No.120: パートナーの責任範囲は明確か?

プロジェクトの体制として、すべてをプロパーで構築できない場合、外部に協力を求めることになります。協力を求める先は、パートナーとして長年お付き合いをしてきた馴染みのある企業であったり、そのプロジェクトで初めて一緒に仕事をする企業であったり、様々でしょう。
いずれにしても、パートナーである企業に対しては、プロジェクトの責任範囲を明確にしておく必要があります。新しく建物を建設する場合であれば、電気工事は一社に担当してもらうということです。人手が不足している世の中にあっては、あるまとまった範囲を一社に担当してもらうということは難しいかもしれません。元請けのA社から電気工事を頼んだB社が、人手が足りなくて一部をC社に依頼するということもあるでしょう。
建築業界に限らず、重層的委託構造というものは起こり得るものです。こんな時気をつけなければならないのは、例えC社の作業にミスがあっても、A社から見ればその責任の所在はB社にあるということです。B社がC社に対して作業ミスに対する責任を負ってもらうということはあっても構いませんが、C社を直接A社の前に差し出すというようなことはやってはいけません。
もちろんこの様なことをA社が認めてもいけません。C社の作業ミスだからといってA社が直接C社に苦言を伝えるとか、指導するという様なことは避ける必要があります。そういったことは必ずB社に対して、あるいはB社を通じて間接的に行うべきなのです。そうでなければ、B社がC社も含めて自身の責任であるということを自覚せず、甘えが生じてしまいかねません。
私は、この様な状況を何度か目にしたことがあります。B社の管理者や経営者が、派遣業を始まりとした基本的に人工ビジネスを事業の柱としていると、何の負い目もなくC社に責任転嫁をしてしまうことがあります。A社としては、断固としてB社に責任を持ってもらう姿勢を見せなければなりません。
上記は垂直型の重層構造上の問題ですが、水平型の重層構造もあります。プロジェクトが目標とする成果物のうち、一部の固まりを複数の企業に分担してもらおうとするものです。私はこの状況も目にしたことがありますが、こちらも責任の所在を明確にしなければならないケースです。
A社が一部をB社とC社に分担してもらおうとする場合、選択肢は二つに一つです。一つはB社かC社のどちらかに、当該部分の主担当を務めてもらい、責任を明確にすることです。もう一つは、A社の担当者が責任を持ってB社とC社をコントロールすることです。
それぞれのパートナーの責任範囲をどうするかは、プロジェクトの計画段階で明確に定めておかなければならないものです。何となく仕事を依頼し、責任を曖昧にしたまま進めるプロジェクトは、後で思いも寄らぬトラブルが発生する可能性が大きくなります。
あなたの組織、プロジェクトでは、参画するすべてのパートナーの責任を明確に定義できているでしょうか。パートナーの厚意や善意にプロジェクトを委ねてしまっていないでしょうか。

